近況


今日は二十四節気の白露だそうですが、
まだまだ厳しい残暑が続いています。
皆様、いかがお過ごしでしょうか。


ぼくはここしばらく体調を崩し気味で、
幾分弱気になりながら、老いゆく夏を眺めています。


ところで、今月は所属する学会の隔年大会があり、
ぼくも発表をさせていただけることになりました。
研究をコンパクトにまとめたポスターを掲示して、
興味を持ってくださった方に内容を説明したり、
質問に答えたりするポスター発表という形式です。


そんなわけで、今週末から二週間ほど出かけてきます。
大学院の研究室で開催する研究会と日程が重なるため、
関係各位にはご迷惑をお掛けしてしまい、
心苦しい限りですが・・・

CIL 18 - 学会の模様、その2


7月21日から26日にかけて開催された国際言語学者会議、CIL 18
会場は広いキャンパスが印象的な高麗大学(Korea Univ.)でした。


初日は午前中に参加登録などを済ませて配布物を受け取りました。
ちなみに学会参加費は、事前登録した場合米ドルで$60(学生$15)、
当日会場で登録した場合は$80(学生$20)でした。
また、配布物は大会ハンドブック1冊と分厚い発表要旨集が2冊、
それに名札や筆記用具を大会ロゴ入りの鞄に納めた一式で、
さすが国際的な学会とはずいぶん豪華なものだと関心しました。


その後10時からIncheon Memorial Hallで行われた開会式に出席。
間に昼休みを挟んで二つの特別講演を聴講した後、
15時からは別会場で個別の研究発表を聞いて回りました。


発表は全日程を通じてパラレル・セッション形式で行われ、
トピック別のセッションと一般セッションがありました。
要旨集に掲載されていたトピックは以下の通りです。


1. Language, mind and brain
2. Information structure
3. Language policy
4. Intercultural pragmatics, language and society
5. Historical and comparative linguistics
6. Phonetics and phonology
7. Lexical semantics
8. Tense, aspect and modality
9. Computational linguistics
10. Syntax


各自の持ち時間は発表20分、質疑応答10分の合計30分。
多くの発表者がPowerPointなどのスライドを使用し、
手元用資料としてレジュメやペーパーを配布していました。
発表言語はほとんどの場合英語でしたが、
少数ながらドイツ語やフランス語での発表もありました。


さらに夕食後には様々なワークショップが開催され、
昼間のセッションと同じ要領で多くの発表が行われました。
要旨集に掲載されたワークショップのテーマは以下の通り。
なお、開催予定だったFeatures of translation universalsは、
キャンセルされたらしく、要旨集に掲載されていませんでした。


1. Interface conditions
2. English with Asian accents
3. Silent issues in linguistic theory
4. Speech sciences in linguistics
5. Formal approaches to the relation of tense, aspect and modality
6. Contrastiveness in information structure and/or scalar implicatures
7. Language diversity
8. Writing systems and the linguistic structure
9. Current issues in linguistic interfaces
10. Language and gender
11. Second language acquisition and applied linguistics
12. Linguistic studies of ontology
14. Endangered languages
15. Argument realization in Asian languages
16. Lexis-grammar Interface
17. Syntactic parameters
18. Interfaces in phonology
19. Languages and cultures in contact


まさに言語学漬けの一日でくたくたになってしまいましたが、
興味深い講演や発表を聞き、実に多くの刺激を受けました。

8888から20年


2008年8月8日、今日はビルマにとって特別な日です。


20年前の今日、民主化を求める群衆に対し軍隊が発砲を開始、
これを皮切りに組織的かつ徹底的な弾圧の時代が始まりました。
死者や行方不明者の正確な人数はいまだ明らかにならず、
軍政による深刻な人権蹂躙は現在も続いています。


その軍政の最大の支援国中国で平和の祭典が始まる今日、
世界がせめてビルマに思いするよう願ってやみません。

CIL 18 - 学会の模様、その1


7月21日から26日にかけて、
ソウルの高麗大学で開催されたCIL 18という学会に出席してきました。


CILとはCongrès International des Linguistesの略称で、
英語ではInternational Congress of Linguists、
日本語では国際言語学者会議という名称で知られています。
5年に一度、言語学と関連領域の研究者や学生が世界中から集まり、
研究発表、特別講演、ワークショップなどを行う国際的な大会です。
これまでは主にヨーロッパの都市が会場となってきましたが、
今回はアジア地域での開催となりました。


第18回となる今大会では、
CILの歴史上初めて文字・表記に関するワークショップが開かれました。
Writing Systems and the Linguistic Structureと題するこのワークショップ、
テーマがぼくの研究に直接関連する上、会場も比較的近い韓国ということで、
思い切って発表を申し込み、参加させていただくことになった次第です。


CIL 18では研究発表の他に8つの特別講演と18のワークショップがあり、
統語論や音韻論をはじめとする言語学の伝統的な研究領域の他、
インターフェイス危機言語、手話研究など、幅広いテーマが扱われました。
大会期間中、研究発表がいくつあったか正確には数えていませんが、
ワークショップでの発表も含めると、おそらく600以上になるはずです。


大会期間中、アカデミックな活動以外にもさまざまな催しがありました。
3日目は全日フリーで、希望者は有料のオプションツアーに参加し、
ソウル市内観光、伝統文化に触れるツアー、板門店の国境ツアー、
ハングル文字の生みの親である世宗大王ゆかりの地を巡るツアーなど、
かの国ならではの珍しい体験をすることができました。


さらに5日目には参加者全員がソウル市長主催のディナーに招待されました。
COEXという巨大な商業施設の大ホールで素晴らしい食事を振舞われた他、
伝統的な音楽や舞踊のパフォーマンスを鑑賞し、楽しい時間を過ごしました。


ぼくにとっては今回が初めての学会発表だったということもあり、
CIL 18への参加はいろいろな点で非常に印象深い経験となりました。
記憶が薄れないうちに、何回かに分けて書き綴っていこうと思います。

七月の終わりに


季節は巡り、夏は今。
最後の更新から早二ヶ月もの時が流れてしまいました。


この数ヶ月、珍しく多忙な日々が続いています。
特に七月は論文執筆と韓国での学会発表が重なり、
不器用で怠け者のぼくにとってはなかなか辛い月でした。
自分でも何が起きているのか分からなくなる時があり、
ふと他人事のように感じることさえあるから不思議なものです。


とはいえ、家族や友人というのはありがたいもの。
周囲の人々に支えられ、なんとかめげずにやっています。


韓国ではいろいろと面白い体験をしましたし、
日常のあれこれについて想うことも多々あります。
忙しさに負けず、少しずつ書き出していこうと思います。

塩豚まん!


にくまんが大好きです。
餃子、小籠包、ピロシキカネロニなど、肉餡を生地で包んだ系は全般に好きですが、
とりわけにくまんには目がなく、寒い時期だと毎日でも食べたくなります。


ここ数日は雨がちで肌寒い日が続いていますが、今日は特に気温が低くなりました。
こんな週末に朝から傘をさしさし震えながら出かけなければならないとなれば、
これはもう、にくまんを食べるしかないですよね!


というわけで、ひさしぶりにファミリーマートで「塩豚まん」を買ってしまいました。
コンビニで買うにくまんは概して甘めで余計な味がするように思うのですが、
この「塩豚まん」は塩スープをベースとするさっぱりした味付けが特徴で、
2005年の発売開始以来、ぼくの中では定番の一品となっています。


中華街などの専門店で贅沢な味わいに舌鼓を打つのも結構でしょうが、
日々のスナックとして食べるにはこの「塩豚まん」がおすすめです。
まだ試したことはありませんが、挽きたての黒こしょうを一振りしたら、
なお一層美味しくいただけるのではないかと思います。

Global Day of Action for Burma


世界各国のビルマ*1支援団体は5月17日(土)をGlobal Day of Actionと位置付け、
サイクロン被災者の支援と軍政へのより強い働きかけを求める大規模なデモを行います。


英国のThe Burma Campaign UKのウェブサイトによると、
ロンドンではフランス大使館、アメリカ大使館、Foreign Officeの前でデモが予定されています。
集合時間や場所などはこちらをご覧ください。


また、Burma Global Action Networkのウェブサイトには、
世界各地で当日予定されている抗議活動に関する情報が掲載されています。

*1:別名「ミャンマー」。