CIL 18 - 学会の模様、その1


7月21日から26日にかけて、
ソウルの高麗大学で開催されたCIL 18という学会に出席してきました。


CILとはCongrès International des Linguistesの略称で、
英語ではInternational Congress of Linguists、
日本語では国際言語学者会議という名称で知られています。
5年に一度、言語学と関連領域の研究者や学生が世界中から集まり、
研究発表、特別講演、ワークショップなどを行う国際的な大会です。
これまでは主にヨーロッパの都市が会場となってきましたが、
今回はアジア地域での開催となりました。


第18回となる今大会では、
CILの歴史上初めて文字・表記に関するワークショップが開かれました。
Writing Systems and the Linguistic Structureと題するこのワークショップ、
テーマがぼくの研究に直接関連する上、会場も比較的近い韓国ということで、
思い切って発表を申し込み、参加させていただくことになった次第です。


CIL 18では研究発表の他に8つの特別講演と18のワークショップがあり、
統語論や音韻論をはじめとする言語学の伝統的な研究領域の他、
インターフェイス危機言語、手話研究など、幅広いテーマが扱われました。
大会期間中、研究発表がいくつあったか正確には数えていませんが、
ワークショップでの発表も含めると、おそらく600以上になるはずです。


大会期間中、アカデミックな活動以外にもさまざまな催しがありました。
3日目は全日フリーで、希望者は有料のオプションツアーに参加し、
ソウル市内観光、伝統文化に触れるツアー、板門店の国境ツアー、
ハングル文字の生みの親である世宗大王ゆかりの地を巡るツアーなど、
かの国ならではの珍しい体験をすることができました。


さらに5日目には参加者全員がソウル市長主催のディナーに招待されました。
COEXという巨大な商業施設の大ホールで素晴らしい食事を振舞われた他、
伝統的な音楽や舞踊のパフォーマンスを鑑賞し、楽しい時間を過ごしました。


ぼくにとっては今回が初めての学会発表だったということもあり、
CIL 18への参加はいろいろな点で非常に印象深い経験となりました。
記憶が薄れないうちに、何回かに分けて書き綴っていこうと思います。