棘のあるしっぺ返し


聞くところによるとイスラム教の文化では、
結婚した男性が妻にマハルと呼ばれる贈り物をするのだとか。
イランではこの風習がかなり強い縛りを持っていて、
妻が夫に対しマハルを要求する権利が法的に認められているそうです。


さて、そんなイランからちょっと面白いニュースが聞こえてきました。
ある女性が夫を相手取りマハルを巡る裁判を起こしたのです。
彼女が要求しているのは夫が結婚前に約束したというたくさんの薔薇、
その数なんと12万4千本だとか。


一体どういう経緯でこんな数字が出てきたのか分かりませんが、
首都テヘランでは薔薇が一本210円ほどするようなので、
単純計算で約2千6百万円分ものマハルが請求されたことになります。


なんでもこの女性、10年前にこの男性と結婚したのですが、
以来贈り物はおろかコーヒー代さえ出してもらったことがないらしく、
吝嗇家の夫を懲らしめるために今回の裁判に踏み切ったと話しています。
裁判所はこの訴えを認めて男性所有のマンションを没収し、
約束どおり薔薇を贈るまではこれを差し押さえておく方針だそうです。


それにしても、「百万本のバラ」という歌は聞いたことがありますが、
12万4千本とは、いや実にどうも恐れ入りました。
ロマンチックというべきか、はたまた世知辛いというべきか・・・



Iranian to pay 124,000-rose dowry (BBC News)
'Stingy' husband ordered to buy 124,000 roses (Telegraph)