ビルマ-3


日本人ジャーナリストの長井健司氏と見られる男性が、
ラングーン*1で射殺される場面をとらえた映像を観ました。
至近距離から撃たれる様子が生々しく映し出されていて、
大変痛ましくショッキングな映像です。


注目すべき点は、
発砲した兵士が彼を外国人と認識していたであろうということです。


映像に映った長井氏は灰色っぽい半ズボンをはいているのですが、
ビルマ*2では男女ともロンジーという巻きスカートを身に着けるのが普通です。
一部の若者はファッションとしてジーンズなどを着ることもあるようですし、
半ズボンをはく人も、まったくいないわけではないのかもしれません。
しかし、肌、とりわけ下半身の肌を露出するのは非常に行儀が悪いとされるため、
ビルマの人がわざわざ半ズボンで表に出ることはほとんどないと思います。
どうしても暑かったり、動きにくくて不便だったりするのであれば、
男性ならばロンジーを膝くらいまでまくり上げてしまえばいいので、
外出する時にわざわざ半ズボンをはく必要はありません。


このため、長井氏が外国人であることは、
例え遠くからであってもはっきりと見て取れたはずです。
その上、この時期にビデオカメラで兵士の様子を正面から撮影しているとなれば、
彼が外国のジャーナリストであることは間違いようがなかっただろうと思います。


それにも関わらず、長井氏が至近距離から撃たれたということは、
軍政にとって不都合な情報を収集し発信しようとする人間は、
それが誰であれ殺害せよという命令が下されているからでしょう。
仮にこれが当該兵士の個人的な判断によって行なわれたことだとしても、
丸腰の一般人への発砲が現場の兵士の判断に任されているということ自体、
極めて異常で野蛮なことではないでしょうか。


日本をはじめとする各国の政府は今すぐに行動を起こし、
このような蛮行を振るうビルマ軍政に対し、
具体的かつ効果的な圧力をかけることが望まれてやみません。


【追記】
その後の報道によれば、長井氏は背後から銃撃されたようです。
そうであれば、映像に映っていた兵士が撃ったのではないということになります。
しかし、仮に後姿だったために長井氏のカメラが見えなかったとしても、
上で述べたような理由から、
外国人ジャーナリストを故意に狙ったことに変わりはないと思います。