『ノア・ノア』

前から気になっていた『ノア・ノア』(岩波文庫、前川堅市訳)を読んでいます。
画家ゴーギャンが、愛するタヒチで過ごした日々を綴る滞在記です。
著者が「野蛮」との出会いを通じて自らの「文明」を問い直す論考であり、
一つの旅行記としても大変面白い一冊です。


その中で、特に感銘を受けた一節:


「幸福は、その観念をなくしてしまった時にはもうわからなくなってしまうものだ。そして、すべてが美しい時、すべては善だ。」(p. 57)


「不幸」との相対的な関係を解消し、
それ自体で充足する完全な幸福。
それがもたらす、完全な美、完全な善。
その喜悦・・・憧れます。