北京首都国際空港での出来事

日曜日の夜に無事ロンドンに到着しました。
合計13時間半という長旅だったため多少疲れましたが、
フライト自体は快適で、大きな遅れもありませんでした。
利用した中国国際航空Air China)は、
機内食は可もなく不可もなくといったところでしたが、
客室乗務員に親切な人が多く、良い印象を受けました。


さて、今回は北京首都国際空港を経由する乗り継ぎ便だったのですが、
ここでいろいろなことがあり、かなり珍しい体験となりました。


多くの場合、乗り継ぎというのはそれほど面倒なものでもなく、
まず専門のカウンターで簡単な手続きを済ませ、
ゲートに向かい、セキュリティチェックを受ければOKです。
空港を出ない限り入国審査を通る必要はないため、
特別な書類を書かされたりすることなどまずありません。


ところが、北京では事情が違ったのです。
まず入国用と出国用それぞれの書類に記入するよう言われ、
係官に国籍、出立地、目的地などを細かく聞かれた上、
検査のため手荷物を開けて中身を取り出すよう指示されました。
それも、一人一人、一つ一つの荷物についてです。


検査をする係員の中には親切な人もそうでない人もいたのですが、
みな一概に手際が悪く、おそろしいほど時間がかかります。
さらに、機内への持ち込みが禁止されている物はすべて没収され、
床の上の集積所に投げ捨てられてしまいます。


幸いぼくが当たった係員は優しくにこやかな人で、
荷物も問題がなかったため比較的スムースに通ることができました。
かわいそうだったのは隣で検査を受けたインド人のおじいさんで、
液体や軟膏の入った瓶を何本も取り上げられてしまい、
自分は病気でこれは薬なのだと大いに憤慨していました。
感情的には加勢して助けてあげたかったのですが、
それが本当に薬だという確証がないので何もしてあげられませんでした。
せめて英語で書かれた処方箋や説明書があればよかったのですが・・・
彼の検査を受け持った係員の横柄な態度が不愉快でした。


どの国でもテロが起こらないとは限らないこのご時世、
どれだけ警戒しても厳重すぎるということはないと思います。
特に中国は内外に様々な紛争の火種を抱えている上、
オリンピックを来年に控えているため、過敏になってもいるのでしょう。
そう自分に言い聞かせながら、釈然としないままゲートへと向かいました。