『最終兵器彼女』


最終兵器彼女』を読みました。
真夜中に読み始めて読破したのが明け方の5時過ぎ。
くたくたになってベッドに倒れこんだ時、
表では世界の終わりのような嵐が吹き荒れていました。


北海道の田舎町。
高校生のシュウジとちせ。
不器用な恋。
ある日始まった戦争。
「最終兵器」に造り変えられたちせ。
守ろうとするシュウジ
「お仕事」のため戦場へ赴くちせ。
守ろうとするシュウジ
兵器として「成長」していくちせ。
守ろうとするシュウジ
エスカレートする戦争。
もたらされる死。
不器用な恋。
終わる世界。


個々の登場人物が経験するやたら現実的な生や死と、
地球規模で進むやたら非現実的な破滅とが、
密接に関連しつつまるで別々の出来事のように展開する、
ちょっと悪夢的な作品という印象を受けました。


自衛隊員ナカムラが死んでいく場面と、
「ちせ」ということばのアイヌ語での意味がさらりと語られる場面とで、
今日は一日中すっかり心が痺れたままのぼくです。